経理の求人票の見方|応募前に確認する3点と面接で聞く質問

経理の求人票の見方|応募前に確認する3点と面接で聞く質問

私は現在、記帳代行で複数社の帳簿を見ています。そこで感じたのは、同じ「月次決算」でも、会社によって社内で担当する範囲がかなり違うということでした。求人票から読み取れるのは決算の範囲・体制・会計ソフトのおおまかなところまでで、社内の分担までは分かりにくいと感じます。分からない部分は、面接で確認するのが現実的です。

この記事では、求人票のどこを見れば何が分かるのかを整理したうえで、私が実際に面接で確認した質問をまとめます。会計事務所と一般企業の経理を両方経験した立場から、応募前に確認しておくと判断しやすい点をお伝えします。

求人票の「経理全般」では、入社後の仕事は分からない

求人票を読んでも入社後の仕事が具体的に見えないのは、読み方が悪いからではありません。求人票に書かれるのは労働条件であり、経理の中で誰がどこまで担当するかという社内の分担は、そもそも記載が求められていないからです。

経理の求人票でよく見るのは、次のような書き方です。

  • 経理全般
  • 月次決算、年次決算
  • 会計ソフトを使用した仕訳入力
  • 決算業務あり

一方で、応募を考えている人が本当に知りたいのは、次のようなことではないでしょうか。

  • 月次決算のどこまでを社内でやるのか
  • 経理は何人いて、誰が何を担当するのか
  • 会計ソフトは入力するだけなのか、設定まで任されるのか

この2つは、重なっているようで重なっていません。

求人票に書かれる項目は、法令で決まっている

求人を出す会社は、職業安定法施行規則にもとづき、募集時に一定の労働条件を明示することが必要とされています。厚生労働省の資料では、最低限明示しなければならない労働条件として次の項目が挙げられています。

明示が必要な項目
業務内容
契約期間
試用期間
就業場所
就業時間
休憩時間
休日
時間外労働
賃金
加入保険
受動喫煙防止措置
募集者の氏名または名称

※このほか、裁量労働制、固定残業代、派遣労働者としての雇用など、該当する場合に追加で記載が必要な事項があります。

さらに2024年4月1日施行の改正で、「従事すべき業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「有期労働契約を更新する場合の基準」が追加されています。

ここで注目したいのは、「業務内容」がどのくらいの細かさで書かれるのかという点です。厚生労働省の資料に載っている記載例では、業務内容の欄は「(雇入れ直後)経理 (変更の範囲)法務の業務」と示されています。

月次決算の工程ごとの社内分担は、独立した必須項目として列挙されていません。一方で、労働条件は可能な限り具体的かつ詳細に明示するよう、会社側に配慮が求められています。

求人票から読み取れる決算の範囲・体制・会計ソフトの3点と、読み取りにくい社内の分担を示した図

書いていないことは、隠しているとは限らない

ここは誤解しやすいところだと思います。

社内の分担が書かれていないのは、会社が不都合を隠しているからとは限りません。明示が求められている事項ではないうえ、求人広告には文字数の制約もあります。

実際、厚生労働省の資料では、求人広告のスペースが足りない場合などに「詳細は面談時にお伝えします」と付したうえで、労働条件の一部を別のタイミングで明示することも可能とされています。ただしその場合も、原則として面接などで求職者と最初に接触する時点までに、すべての労働条件を明示する必要があるとされています。

制度上も、求人広告に載せきれなかった労働条件が、初回の面接などで会社から明示される場合が想定されています。

だとすれば、応募を考える側がやることは決まってきます。求人票から読み取れる範囲を先に確定させて、読み取れなかった部分を面接の質問に変えることです。

この記事では、まず求人票から確認できる3点を整理し、そのうえで私が実際に面接で聞いた質問をまとめます。

※ここで紹介した内容は、厚生労働省が公表している資料にもとづく一般的な説明です。労働条件の明示に関する制度は改正されることがあります。最新の内容は厚生労働省の公式サイトで確認してください。個別の求人や労働条件について疑問がある場合は、ハローワークや労働局などの公的な窓口で相談できます。(確認日:2026年8月10日)

「月次決算」は会社によって、どこまで違うのか?

結論から書くと、私が記帳代行で見ている範囲では、同じ「月次決算」でも、社内で担当する範囲は会社ごとに違います。そして求人票では、その違いが同じ一行になります。

月次決算という言葉は、工程の名前であって、範囲の名前ではありません。資料を集める、仕訳を入力する、残高を確認する、試算表を確定する。この工程のどこまでを社内でやり、どこから外部に渡すかは、会社ごとに決められています。

私が見ている範囲での、3つのかたち

記帳代行で複数社の帳簿を見ている立場から、実際に見たことのある分担のかたちを挙げます。私が担当している範囲での話であり、世の中の割合を示すものではありません。

かたち社内でやること外部がやること
A|社内は資料をそろえるところまで領収書・通帳・請求書などを整理して渡す仕訳の入力から試算表の作成まで
B|社内で入力し、外部が確認する日々の仕訳入力科目の選び方の確認、誤りの修正
C|社内で試算表の確定まで進める入力から残高の確認、試算表の作成まで顧問税理士が、相談対応と年次決算・申告を行う

※税務申告は、税理士または税理士法人が行う業務です。記帳代行が申告を行うという意味ではありません。

月次決算の分担を3つのかたちで示した図。資料の準備まで、入力まで、試算表の確定まで

この3つに優劣はありません。会社の規模、経理の人数、顧問契約の内容によって決まっているもので、どれが正しいという話ではないと考えています。

Aのかたちでも、社内の担当者の仕事がなくなるわけではありません。どの資料が何の取引に対応するのかが分かる状態で渡されているかどうかで、その後の進み方は変わります。

「月次決算」の一語では、3つの違いを判別できない

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい点です。

求人票に「月次決算」とだけ書かれている場合、A・B・Cのどれに近いかまでは判別できません。同じ一行でも、実際の担当範囲が違う可能性があります。

間違えやすいのは、次の2つだと思います。

  • 「決算業務あり」が年次決算を指すとは限らない。 月次の締めを指していることもあります
  • 「決算補助」と書かれていても、補助の中身は会社によって違う。 資料の準備までなのか、決算整理まで関わるのかは、この一語からは判断できません

会計事務所で担当先の会計・税務業務をしていたときと、一般企業で自社の経理を担当したときでは、同じように会社の数字を扱っていても、見る範囲が違いました。この違いについては会計事務所から一般企業の経理へ|転職して分かった実務の違いに書いています。

自分がどのかたちだったかを、言えるようにしておく

ここまで読んで、求人票の側だけを読み解こうとしても限界があることが見えてきたかと思います。

比べる相手は、自分の経験です。自分が担当してきた月次決算がA・B・Cのどれに近かったのかを言葉にできると、求人票の一行に対して「これは自分がやってきた範囲より広そうだ」と当たりをつけられるようになります。

経験を工程で書き出す方法は経理の業務棚卸し|経験を「深さ」で3段階に整理する方法にまとめました。

顧問税理士の関与範囲は、求人票だけでは分かりにくい

結論から書きます。私が求人を見た範囲では、顧問税理士がどこまで関与している会社なのかを、求人票から読み取ることはほとんどできませんでした。読み取れるのは、「税理士対応」「会計事務所との窓口」といった記載があるかどうかくらいです。

前の章で見たA・B・Cの分担は、裏返すと「外部にどこまで任せているか」の違いです。だとすれば、顧問税理士の関与範囲が分かれば社内の範囲も分かるはずだと、そう考えたくなります。

記載から言えること、言えないこと

求人票の記載そこから言えること言えないこと
「税理士対応」「会計事務所との窓口」の記載がある顧問税理士や会計事務所との連絡・対応が、業務に含まれる可能性がある依頼している業務の範囲。資料の受け渡し、処理内容の確認、相談対応のどこまでを含むか
記載がない外部に委託していないとは限らない。単に書かれていないだけの場合もある

間違えやすいのは、記載がないことを「社内で完結している」と読んでしまうことだと思います。前の章のとおり、社内の分担は明示すべき事項ではありません。書かれていないという事実からは、何も確定できません。

「分からない」と分かることが、この段階の収穫

読み解けなかったことを、失敗と受け取る必要はないと考えています。

求人票は労働条件を明示するための書類であって、社内の分担を説明するための書類ではありません。読み取れないのは、読み手の問題ではなく、そもそも書かれていないからです。

ここで大事なのは、推測で埋めないことです。「たぶん試算表までは社内だろう」と埋めてしまうと、面接で聞くべき項目がそこで消えてしまいます。

求人票を読み終えたときに、「分かったこと」と「分からなかったこと」の2つのリストができていれば、この段階は完了です。分からなかったことの数が多くても、問題ではありません。それがそのまま、次の章で使う質問になります。

この記事で書かないこと

参考までに、この記事では具体的な求人の件数、企業名、条件は書きません。

転職サービスの求人情報は会員向けに提供されているもので、サービスによっては第三者への開示や営利目的での利用が規約で禁止されています。私自身が見た求人であっても、その内容を記事に転載することはできないと考えています。

そのため、ここに書けるのは、私が見て感じたことと、そこから言える読み方までです。逆に言えば、特定の求人を紹介する記事ではないので、手元の求人票に当てはめて使っていただけます。

ひとり経理かどうかは、良し悪しではなく確認すべき条件

この記事では、ひとり経理を「リスク」とは呼びません。良い働き方か悪い働き方かを決める話ではなく、応募前に確認しておく条件のひとつとして扱います。

理由は2つあります。ひとつは、ひとりで回していること自体に問題があるとは限らないこと。もうひとつは、この記事を読んでいる方の中に、今まさにひとりで回している人がいるはずだからです。外から「リスク」と名前を付けたところで、その人の判断の役には立ちません。

判断を難しくしているのは、働き方そのものではなく、確認できていない条件が残っていることだと考えています。

求人票では、体制が分かりにくい

私が求人を見ていて気になったのは、仕事内容は書かれているのに、何人で回すのかが書かれていないことでした。

もうひとつ感じたのは、業務範囲の書き方が会社ごとにばらばらで、横に並べて比べにくいということです。同じ「経理」の求人でも、工程を細かく書いている会社もあれば、一行で済ませている会社もあります。

この2つが重なると、「経理全般・決算業務あり」という同じ一行が、2人で分担する会社のものなのか、ひとりで全部回す会社のものなのか、判断できません。

ここまでと同じで、書かれていないことから確定できることはありません。ここも、面接で確認する項目に回します。

確認しておくと判断しやすい4つの条件

私が確認しておきたいと考えているのは、次の4つです。

1. 前任者がいるか、引き継ぎ期間があるか

引き継ぎがあるかどうかで、入社後の数か月の進み方が変わります。前任者がすでに退職している場合、何を頼りに業務を把握するのかが論点になります。

2. 判断に迷ったときの確認先があるか

社内に経理の上司がいるのか、顧問税理士に確認する体制なのか。経理の業務棚卸しにも書いたとおり、「一人でできる」とは、すべてを自分で判断することではなく、気づいて確認先に相談できることだと考えています。確認先があるかどうかは、人数そのもの以上に効いてくる部分だと感じます。

3. 自分が休んだときに、代わりに動ける人がいるか

支払いや給与のように、日付が決まっている業務があります。担当が自分だけの場合、その日をどう回すのかは、入社前に見えているほうが安心できます。

4. 経理以外の業務をどこまで兼務するか

中小企業では、経理と総務の兼務は珍しくありません。私自身も、転職した会社で経理と総務を兼務していました。求人票の職種名だけでは、この兼務範囲は見えにくい部分です。

この4つは、今の会社に残る場合にも使える

ここまでは応募する側の話として書きましたが、この4つはそのまま、今の職場に当てはめて使えます。

確認先が整理されていない。引き継げる人がいない。休んだときに止まる業務がある。もしそう感じたなら、それは転職の理由になるとは限りません。社内で役割を整理したり、体制について相談したりするときの材料にもなります。

自分の環境を外の条件と並べて見てみたい場合の方法は、ビズリーチに登録だけでも意味はある?転職しない40代経理の使い方に書いています。

私が面接で確認した3つの質問

ここまでで、求人票から読み取れなかった項目が手元に残っているはずです。私の場合、それを面接の場で確認しました。

実際に聞いたのは、次の3つです。

  1. 月次決算は、どこまでを社内でやるのか
  2. 前任者はいるのか、引き継ぎ期間はあるのか
  3. 会計ソフトは入力だけなのか、設定もやるのか

そして、経理が何人体制なのかについては、私が聞く前に面接官から説明がありました。

求人票で埋まらなかった項目と、対応させると分かりやすい

求人票で分からなかったこと実際にどうなったか
月次決算の範囲面接で「月次のどこまでを社内でやるか」を聞いた
会計ソフトへの関与面接で「入力だけか、設定もやるか」を聞いた
前任者・引き継ぎ期間面接で「前任者がいるか、引き継ぎ期間はあるか」を聞いた
経理の人数体制(総務との兼務含む)面接官から先に説明があったため、こちらからは質問していません
面接で自分から質問した3項目と、先方から説明があった人数体制を分けて示した図

求人票に書かれていなかったからといって、面接でも説明されないとは限りません。求人票に書かれていないことを、そのまま不安材料として持ち続ける必要はないということです。

質問は「工程」で聞くと答えが返ってきやすい

ここからは私の考え方です。

「業務範囲を教えてください」と聞くと、返ってくるのは求人票と同じ言葉になりがちだと思います。一方、「月次のどこまでを社内でやりますか」と工程で区切って聞くと、答える側も工程で答えることになります。

会計ソフトについても同じで、「使えますか」ではなく「入力だけですか、設定もやりますか」と選択肢の形にすると、自分の関与範囲と直接照らし合わせられます。

聞いてよいのか、と迷う場合

前半で確認したとおり、求人広告のスペースが足りない場合などには「詳細は面談時にお伝えします」として、労働条件の一部を別のタイミングで明示することが認められています。その場合も、原則として面接などで最初に接触する時点までに、すべての労働条件を明示する必要があるとされています。

制度上も、求人広告に載せきれなかった労働条件が、初回の面接などで会社から明示される場合が想定されています。これは会社側の明示に関する話ですが、労働条件そのものについては、応募する側から確認しても差し支えない場面だと考えてよいと思います。

なお、エージェントを介して応募する場合は、面接の前に担当者へ確認してもらう方法もあります。ただし私はこの方法を使ったことがないため、どこまで答えが得られるのかは分かりません。

返ってきた答えの中身は書きません

私がこの3つを聞いて、どのような答えが返ってきたのかは、この記事には書きません。勤務先が特定される可能性があるためです。

ここでお伝えしたいのは答えの中身ではなく、私の場合は、求人票で埋まらなかった項目が、面接で聞けば埋まる項目だったということです。

自分の経験と求人票を照合する

ここまで、求人票から読み取れること・読み取れないことを整理してきました。ただ、求人票の側だけを読み込んでも、その仕事が自分の経験に合うかまでは判断しにくいものです。

判断できるようになるのは、読み取った内容を自分の経験と並べたときです。同じ「月次決算あり」でも、自分が担当してきた範囲より広いのか、ほぼ同じなのかで、意味がまったく変わります。

照合は3つの手順で進める

手順1|自分の担当範囲を、工程で書き出す

「月次決算を担当」ではなく、「資料の回収まで」「仕訳入力まで」「試算表の作成まで」のように、工程のどこまでかを書きます。前半で見たA・B・Cのどれに近かったかを思い出しながら書くと、書き出しやすくなります。あわせて、その業務を教わればできる状態なのか、一人で進められる状態なのか、人に教えられる状態なのかも分けておきます。

この書き出し方は経理の業務棚卸し|経験を「深さ」で3段階に整理する方法にまとめています。

手順2|求人票から読み取れた内容を、同じ形で書き出す

決算の範囲・体制・会計ソフトの3点を中心に、税理士など外部の関与も含めて、求人票に書かれていた内容をそのまま書き写します。読み取れなかった項目は、空欄のままにします。ここで推測を書き込まないことが大事です。

手順3|並べて、3つに仕分ける

仕分け意味次にやること
合う自分が担当してきた範囲とほぼ重なる応募書類で具体的に書ける材料になる
一部合う求人票の範囲と自分の経験が一部重なるが、広さに差があるどの工程が実際の担当範囲になるかを面接で確認する
求人票だけでは分からない記載がなく、確定できないそのまま面接の質問にする

会計ソフトだけは、まず「深さ」より関与した範囲で見る

会計ソフトについては、教わればできる/一人でできる/人に教えられるという3段階だけでは、求人票と照合しにくい項目です。この照合でまず確認したいのは、どこまで関わったかです。

  • 日常の入力をしていた
  • マスタや初期設定を触った
  • 運用の改善をした
  • 選定・導入・移行に関わった

この4つは習熟度の順位ではなく、関与した業務の種類です。複数に当てはまる場合は、すべて書き出します。求人票側が求めているのが入力なのか、設定や移行までなのかによって、照らし合わせる場所が変わります。同じ会計ソフト名が求人票に書かれていても、どこまで担当するのかは、ソフト名だけでは分かりません。

印刷して書き込めるチェックシートを用意しました

ここまでの手順を、印刷して書き込めるチェックシートにまとめました。A4横2枚で、1枚目が自分の経験の棚卸し、2枚目が求人票の確認と、自分の経験との照合欄です。印刷して手書きで記入する形式にしています。メールアドレスの登録は不要です。

経理の実務経験 棚卸し・求人票照合シート(PDF・A4横2枚)をダウンロードする

2枚目には「面接で確認すること」を書く欄があります。求人票だけでは分からなかった項目をそこに書き出しておけば、そのまま面接の質問メモになります。

このシートは、できていないことを探すためのものではありません。埋まった項目は、応募書類や評価面談で自分の経験を具体的に説明するための材料になります。空欄が多くても問題ありません。

よくある質問

Q1. 求人票に「経理全般」としか書かれていない場合、応募しないほうがよいでしょうか。

書き方だけでは判断できないと考えています。社内の分担は募集時に明示すべき事項として挙げられていないため、書かれていないこと自体は珍しくありません。決算の範囲・体制・会計ソフトの3点で読み取れる部分を先に確定させ、残りを面接で確認する順番が現実的だと思います。

Q2. 面接で業務範囲を細かく聞くと、印象が悪くならないでしょうか。

労働条件については、確認して差し支えない場面だと考えてよいと思います。厚生労働省の資料では、求人広告に書ききれない場合に「詳細は面談時にお伝えします」とすることが認められています。その場合も、原則として面接などで最初に接触する時点までに、すべての労働条件を明示する必要があるとされています。聞き方としては、「業務範囲を教えてください」より「月次のどこまでを社内でやりますか」のように工程で区切るほうが、具体的な答えが返ってきやすいと感じています。

Q3.「決算業務あり」と書かれていたら、年次決算のことですか。

年次決算とは限りません。月次の締めを指している場合もあります。「決算補助」と書かれている場合も、資料の準備までなのか、決算整理まで関わるのかは、その一語からは判断できません。ここも面接で確認する項目になります。

Q4. ひとり経理の求人は避けたほうがよいでしょうか。

この記事では、ひとり経理を良い・悪いで判定していません。確認しておきたいのは、前任者と引き継ぎ期間があるか、判断に迷ったときの確認先があるか、自分が休んだときに代われる人がいるか、経理以外をどこまで兼務するかの4点です。この4つは、今の職場に当てはめて役割を整理する材料にもなります。

Q5. 経験していない工程が含まれる求人には、応募できないのでしょうか。

採用の判断は会社が行うため、応募できるかどうかをここで断定することはできません。ただ、自分の経験を工程で説明できる状態にしておくと、どこが重なり、どこが新しいのかを面接で具体的に伝えられます。「未経験です」と答えるのと、「資料の回収から仕訳入力までは担当していました。試算表の作成は担当していません」と答えるのとでは、伝わる情報量が違います。

まとめ

最後に、この記事の内容を整理します。

  1. 求人票から読み取れるのは、決算の範囲・体制・会計ソフトを中心とした範囲まで
  2. 社内の分担は募集時に明示すべき事項として挙げられていないため、書かれていなくても不自然ではない
  3. 同じ「月次決算」でも、社内で担当する範囲は会社ごとに違う(資料をそろえるところまで/入力までして外部が確認/試算表の確定まで)
  4. 顧問税理士の関与範囲は、求人票だけでは分かりにくい。記載がないことから確定できることはないため、推測で埋めない
  5. ひとり経理かどうかは良し悪しではなく、確認すべき条件として扱う(前任者と引き継ぎ/確認先/休んだときの体制/兼務範囲)
  6. 分からなかった項目は、面接で確認する。工程で区切って聞くと、答えも工程で返ってくる
  7. 読み取った内容は、自分の経験と並べて「合う/一部合う/求人票だけでは分からない」に仕分ける

求人票を読み解けなかったとしても、それは読み方の問題ではありません。書かれていないことは、面接で確認する項目に変えられます。

そして、ここで整理した4つの条件は、転職を考えている人だけのものではありません。今の職場に当てはめてみると、確認先が整理されているか、引き継げる状態になっているかが見えてきます。それは、社内で役割や体制について相談するときの材料にもなります。


まずは、気になっている求人票を1つだけ開いてみてください。決算の範囲・体制・会計ソフトの3点について、書かれていることをそのまま書き写します。空欄になった項目が、そのまま面接で聞くことになります。

情報の確認日:2026年8月10日

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